3つ目の星が他の2つの星と同じ位の大きさだとその運動は予測不可能な無茶苦茶な軌道になる。無茶苦茶と言っても数値的には軌道は求まるので解けない、といっても本当の意味で解けないわけではない。あくまで、人間には解けない、というだけの話しである。ここで、人間には解けない、ということの意味は2つある。一つは カオスの発生による決定論的予測不可能性、もう一つは状態を特徴付ける指標の数が足らない、という意味である。指標の数が足らないと言うことは次のようなことである。
我々が「月は地球の回りを円軌道を描いて運動する」と言われて「解った」と思えるのは「円軌道」と言われれば、月と地球の距離と、回転の周期が決まっていると思うので、その運動を頭の中に思い描くことができるからである。
もし、これが、回転の周期か、半径の方が未定だったら、「解った」という気持ちになれないであろう。「そんな変なことがあるのか」と思うかも知れないが、実際にはこの世の現象はそういうもののの方が多い。
軌道は求まるけれど、1番目の軌道、2番目の軌道、というように番号だけがついていて具体的にどのような格好ですか、と聞かれると「実際に見て下さい。こういうものです」としか言えないのである。