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=== Interactive Science Column Mail ==================================
     インタラクティブ・サイエンス・コラム・メイル
           1997/12/22号 (不定期刊)
     本日のお題:地球にぶつかるものたち II
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前回の配信で読者の方から「やっぱり著作権法違反はいけない!」と励まし & おしかりのメイルを頂いてしまった。どうも申し訳ない。まあ、全くなん の情報にも基づかずに記事は書けないから常識の範囲内でなるべくオリジナルっ ぽく行って見よう。ただ、あの記事を配信した後、小学校理科の番組(by NHK 教育テレビ)でほぼ同じ事をやっていたのだった。あの程度の内容は小学校理 科のレベルらしい。ということは我々のかなり部分は「小学校の理科の内容」 さえ完全には覚えていない、ということなのだろう(あ、もし、読者の皆さん には周知の事実で、僕だけ忘却していたなら二重に申し訳ない)。それにして も、その番組では「流星嵐」がやってくるのが、1998年11月だと言って いたぞ。Planetary Peportには1999年11月だと明記してあるのに。一体、 どっちが正しいのだろうか?誰か教えて欲しい。
前回に引き続き、The Planetary Report(Planetary Society 発行の機関誌)の11/12月号のQ&Aより(著作権 法に抵触しない様に気をつけながら)。さて、地球にどれくらいの大きさのも のがぶつかったら、地球の軌道は大きく変わるのだろうか?「月ができた理由 (わけ)」でも触れたように、すでに地球には火星くらいの大きさの星が激突し ている。それでも、地球の軌道は大きくは変わらなかった、と思われているか ら、よほどでかい星が激突しないかぎり、そうは軌道は変わらないだろう、と いうことは予想できる。
例えば、現在の地球の軌道を遠日点が火星の位置になったりとか、近日点が 金星の位置なったりさせるにはどうすべきか?現在の地球の公転速度は30キ ロメートル/秒だそうだが、その約1割、3キロメートル/秒程度の増減で地 球の軌道は火星の軌道や金星の軌道に移動する(*)。地球が「壊れる」限界は 衝突による速度変化が地球の脱出速度(11キロメートル/秒)程度になった時 だから(**)これほどすごい衝突でも地球は壊れたりしない、ということにな る。
昔のSFでよく巨大惑星が地球に衝突してこなごなになる、という設定のもの があったが、実際に起きる事はそれよりも、地球は壊れないが、軌道が変型し てしまって地球には人間が住めなくなる、ということだ、ということになる。 もっとも、月が出来た時の大衝突でも地球の軌道は殆ど変化しなかった(***)と思われるが、その時は地表は衝突のショックでドロドロに融けていただ ろうから、「すめなくなる」云々を問題にするなら、軌道の変型より、そちら の方が影響は大きいと思わねばなるまい。
僕はいつも思うのだが、もし、地球が隕石や小惑星の衝突で亡びるとなったら、 どうするだろうか?やっぱり、妻子といっしょに人気の無いハラッパにでも行っ てその瞬間を待つんだろうか?最後の時はどんなだろう?風が吹いて来るのか? 地面が割れるのか?それとも、衝突で発生した高熱で蒸発するのだろうか?
さて、気が向かなければ、今年の配信はこれでおしまいであとは来年、の予定。 9月からはじめて4ヶ月弱で900名弱の方々に読んで頂けるようになり、感 謝感激雨あられ、である。来年もまた一緒に科学を楽しみましょう!では、メ リークリスマス & ハッピーニューイヤー。よいお年をお迎え下さい。
(*)速度が増えれば、火星の位置に、減れば金星の位置になる。金星の公転周 期は地球より短く、火星は長いのだから一見逆に思えるかも知れないが、これ でいいのだ。
(**)そうなれば当然、衝突の勢いで地球はばらならになって飛んで行ってし まう。それが脱出速度の定義だ。
(***) 軌道が衝突の衝撃で変型すればひどい楕円軌道になるはずだが、地 球の軌道は依然として円に近い事から、あまり影響は無かった、と思う事が出 来る。

○インタラクティブ・サイエンス・コラム・メイル1997/12/22(購読者:866名)
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