海に花がないわけ


どうして海の中に花が咲いていないのだろうか?それは海の中には昆虫がいないからだ。これは決して冗談ではない。植物が花をつけるのは、昆虫に花粉を運んでもらうためである。それ以上でもそれ以下でもない。花のおしべについている花粉を他の花に運んでもらい、また、他の花から来た花粉をめしべに受粉してもらう。それこそが植物が花をつける唯一無二の目的である。

みんなもちょっとは聞いたことがあるかもしれないが、地球上のすべての生物はずっと昔からいまある姿だったわけではなく、時間が経つとともにちょっとずつ変わってきた。だから、地球ができたばかりの頃は、人間もいなければ、ねずみも鳥も昆虫もいない時代がきっとあった。そんな時代には植物があっても花が無い時代があったわけだ。

ここで、こんな疑問を持つ人がいるかもしれない「花が無かったらミツバチやチョウは何を食べていたの?」と。地球上に最初に昆虫が現れた時には当然、花など咲いていなかった。だから、地球上に最初に現れた昆虫の中にはチョウもミツバチも居なかった。およそ蜜を吸って生きる昆虫は一匹たりとも存在しなかった。これが答えだ。

次に来る疑問は「ミツバチもチョウも居なかったなら、そもそも最初に咲いた花は何のために咲いたの?さっき、昆虫が居なければ花は咲かないっていったじゃないか?」じゃないかな?そう、これは大きな問題だ。正直言って、この疑問に「ちゃんと」答えられる人は世界中に誰もいないだろう。それでも、現に花はあるわけだし、蜜を吸うミツバチがいて、ずっと昔には花もミツバチも無い時代があった以上、何らかのやり方で花とミツバチがある意味でうまいタイミングで「同時に」出現したと思うしかない。

そんなの信じられないって?そう、これを信じていない人は一杯いて、アメリカなんかだと、半分くらいの人が「生き物は神様が創った」と思っているという調査もある。でも、これを読んでいる君たちくらいは、神様を信じたりせずに「ミツバチと花が同時に出てくるにはどうしたらいいか」ってことを「科学」の目と心で考える人間になって欲しいと僕は思う。自分で考えるのをやめて全部神様のおかげにしてしまうことほど安易なことはないのだから。


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