暑い毎日が続く。だからというわけでもないが、冷房の話しでもしよう。だが、その前に雲の話しをすべきだろう。曇って言うのは結局のところ、やかんから吹き出している湯気のお化けに過ぎない。湯気の正体は知ってるよね?やかんの中の水が水蒸気になって吹き出したものがやかんから出た途端に水、それも細かい水滴、に戻ったのが湯気だ。しかし、雲が湯気のお化けだといったところで、空の上に大きなやかんがあるわけもない。じゃあ、なんで空気中の水蒸気が水滴になるかというとそこは冷たいからだ。だから、雲は湯気のお化けというより、冬に息が白くなったりするときの息のお化けだと思った方がいい。
さて、じゃあ、どうして空の上は冷たいか?それは空気が上昇するにつれて膨張するからだ。夏など日差しが強くなると地面のそばは高温になり空気は暖めらて軽くなる。軽くなった空気は上昇していく。空の上では地上より気圧が低いから、上昇するにつれて空気は膨張して体積が大きくなる。空気は体積が大きくなると温度が下がる、という性質があるから、空気が上昇すると、温度が下がり、空気中の水蒸気が冷やされて細かい水滴になってあの雲ができる。
暑さをしのぐためになくてはならないものとなった冷房も、これと同じ原理で部屋を冷やしている。冷房機の中には特殊な気体が入っていて、その気体をポンプで膨張させ、その時の温度の低下を使って部屋を冷やしているわけだ。雲はできないのかって?ちゃんとできているさ。今度、冷房がガンガンかかっている暑い日に屋外に出て冷房機の「外側」を見てみよう。ポタポタ水がたれているだろう?これが冷房機の中の特殊な気体が膨張したときにできた雲の慣れの果てだ。あんまり水滴の量が多くて「雨」になって降ってきてしまったんだね。
最近の冷房は冬になると暖房として使われるものも多いけれど、これはちょうどこれの逆をやって暖めている。空気を膨張させる代わりに圧縮してやれば温度が上がるからね。フェーン現象と言って高い山から一気に吹き降りてくる風が高温になり時には火事を引き起こしたりするのも同じことだ。高い山の上より地上は気圧が高いから空気が圧縮されてしまうんだ。というわけで、自然は人間が発明するずっと前から冷暖房を既に持っていたんだね。